
「オンラインカジノ」における日本の現状
これは皆さんも知っていることですが、日本では賭博行為が禁止されています。
違反すれば当然処罰の対象です。しかし日本でオンラインカジノを楽しむ人は年々増え続けています。
その理由は、日本には海外のオンラインカジノを取り締まる法律が存在しないからです。
つまり「法律で認められている」わけでも「法律に違反している」わけでもない、「グレー」だということ。「それじゃあ結局のところ合法か違法かわからない」という人のために、日本におけるオンラインカジノの現状についてお伝えします。
日本にはオンラインカジノを罰する法律がない
日本でも2016年に「IR推進法」、そして2018年に「IR整備法」が成立しました。
そのため「日本でカジノが合法になった!」「オンカジをやると捕まるらしい」など、カジノプレイに対する違法性についての法案が成立したと勘違いしている人がいます。
しかしIR法案は正式名称を「IR(統合型リゾート)整備推進法案」といい、IRの誘致を目的とした法案です。決してカジノ自体が合法か違法かを問う法案ではないのです。
つまり現状として、オンラインカジノは合法でもなければ違法でもない、法整備が追い付いていないから裁きようがないというのが真実です。
日本の法律が改正されれば将来はオンラインカジノについても処罰対象となる可能性はあります。しかし今の法律のままだと、海外のオンラインカジノを楽しんでいたからと言って明確に処罰されるということはないのです。
刑法「賭博罪」「賭博場開張図利罪」とは?
ただし現状の日本にも「賭博罪」に関する法律はあります。それがこちらです。
第百八十五条 賭と博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。(賭博罪)
第百八十六条 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。(賭博場開張図利罪)
わかりやすく説明すると、刑法185条ではギャンブルそのものの行為を禁じていて、刑法186条ではギャンブルの場を提供することを禁じています。いつも賭けマージャンをやっている常習者が逮捕されたり、違法カジノ店が摘発されたりするニュースをたまに見かけますが、この刑法185条・186条に違反しているというわけです。
ちなみに、同じようにお金を賭けてギャンブルを楽しむ遊戯には「競馬」「競艇」「競輪」「オートレース」がありますが、これらは賭博罪にはあたりません。なぜならこれらは公的機関が運営しているからです。
例えば「競馬」は農林水産省、「競輪」「オートレース」は経済産業省、「競艇」は国土交通省の管轄ですが、省庁が管轄するギャンブルは「公営ギャンブル」と位置づけされています。
こうした公営ギャンブルは国や地方自治体の経済効果が見込めるという理由から、日本で合法的に楽しめるギャンブルとして親しまれているのです。
オンラインカジノを有罪にできない理由
ではなぜ、オンラインカジノを明確に「有罪」とすることができないのでしょうか。
いくら法律が追い付いていなくても、実際にお金を賭けるギャンブルであることに変わりはないのですから、「違法」だと言われてもおかしくはありません。
しかしグレーとされているのは、今までも次のような意見が出されているからです。
グレーとされている海外のオンラインカジノのサーバーは海外にあり、ライブカジノが行われている場所も海外です。
実際に、たとえ旅行者がラスベガスでカジノを楽しんでも、帰国してから逮捕されることはありません。なぜなら賭博罪が適用されるのは日本国内だけだからです。
オンラインカジノは海外のカジノ店と同じ立場であって、そこでプレイをしても罰せられることはないというのがプレイヤー側の意見なのです。
さらに日本の賭博罪は、刑法185条よりも刑法186条のほうがはるかに重い罪になるという事実があります。日本ではグレーと呼ばれるオンラインカジノも、海外ではライセンスをきちんと取得して運営しており、全く違法性のない合法ギャンブルです。
そして実際の賭博場が日本国内にない以上、刑法186条でオンラインカジノ運営を取り締まることはできません。
故に、刑法186条で取り締まることができない海外のオンラインカジノなら、そこでプレイする日本国内の人たちを罪に問うのは難しい、というのが「オンラインカジノはグレーである」と言われている理由です。
安全な「オンラインカジノ」とは?
いくら日本の法律でグレーだと言われているオンラインカジノでも、明らかに違法であったり安全性に問題があったりするところもあります。
未だ法整備が整わない日本で安心してオンラインカジノを楽しむためには、いったいプレイヤーたちはどのような点に気を付ければいいのでしょうか。いくつかのポイントをあげて説明していきましょう。
日本で運営されているインターネットカジノは例外なくアウト
「オンラインカジノは刑法に照らし合わせてもグレーにあたるから逮捕されない」、そう思っている人は少なくありません。しかしこの認識は間違いです。
実際に日本国内でもオンラインカジノに関してたくさんの検挙例があります。その多くがインカジと呼ばれるタイプだということは知っていますか?
日本国内での賭博は法律で禁止されています。これは国民の間でも広く知られている事実です。現実に、違法カジノ店と呼ばれるお店は今までに何度も検挙され、ニュースなどでも話題となりました。
ただし今まで違法と言われてきたのは、実際にあるお店においてテーブルゲームやルーレットを行い、加えてお金も賭けているといったリアルカジノが中心です。
賭博場が日本国内にあり、そこでお金を賭けている以上、刑法185条・186条に違反していることは明らかです。
しかし近年問題となっているのはネットカフェのようにお店にパソコンを並べて、そこからインターネットを通じてカジノを楽しむ通称「インカジ」です。
少しわかりにくいのですが、「インターネットカジノは違法」という判決はすでに出ていて明白な事実なのです。
信頼できる国のライセンスを取得しているか
海外ではオンラインカジノは多くの人が楽しむ娯楽であり、合法ギャンブルとして国からも正式に認められています。しかし中には安全性に疑問がある運営会社が存在しているのも事実です。
そこで重要視されるのがライセンスの取得です。ライセンスとは、オンラインカジノの運営を政府が許可するときに発行する証明書で、ライセンスを取得していないとその国では合法的にカジノを運営することはできません。
ライセンス発行国の役割
ライセンスの発行には、次のような審査が行われるのが基本です。
- 運営側に十分な資金があるか
- 運営者の経営能力は適切か
- 株主にマフィアなどの関係者がいないか
- プレイの公平性は保たれているか
しかしこれ以上にライセンス発行国には重要な役割があります。それはさまざまな問題解決の仲裁役です。
オンラインカジノではいくら公平な運営をしていても、運営側とプレイヤー側でトラブルが発生することは避けられません。
プレイヤー側には非がないといくら主張しても、時にはアカウント停止や出金停止措置が取られることもあります。
サポートとの話し合いを重ねても解決できないときに、ライセンス発行国は問題解決に向けて動くことができる公的機関だというわけです。
ライセンスを発行するだけで、問題解決には一切尽力しないというのでは、プレイヤーは安心してオンラインカジノを楽しむことはできません。
ライセンスの信頼性というのは、プレイヤーを守る本気度も一緒に伴っていることが大切なのです。
そしてオンラインカジノが合法と認められている国がある一方で、日本のように未だ法律が追い付いていない国もあります。
こうした国ではプレイヤーが純粋にゲームを楽しもうと思っても、一方的に「違法」だとされてしまう事態が起こり得ます。
そんなとき、合法で安全性が高いギャンブルであるという点を国家同士で話し合い、問題を解決していくよう働きかけるのがライセンス発行国の役割でもあるのです。
審査が厳しく信頼性が高いとされるライセンス
プレイヤーにとって信頼性が高いと言われるライセンスはいくつかありますが、代表的な国(政府)がこちらです。
イギリス(UK)
ジブラルタル
オンラインカジノが初めてで不安が大きいというのであれば、まずはこの3つのライセンスを所持しているかどうかを判断基準に加えるといいでしょう。それではひとつずつ詳しく見ていきます。

2000年からライセンス開始となったマルタ共和国は、ゲーミングライセンスの中でも最も取得が難しいと言われるライセンスです。ライセンスの有効期限は5年間ですが、MGAは定期的な抜き打ち検査を行うことでも有名で、もし不正が発覚した場合は有効期限内であってもライセンスははく奪されます。初心者がまず初めにオンラインカジノを選ぶときには、マルタライセンスを取得していることが第一条件という人もいるほどです。

2006年からライセンスを発行しているイギリスは、英国賭博委員会により厳格にライセンス管理をしています。特に「身元と所有権」「運営の財務状況」「運営者の信用度」「カジノ運営に関する知識」「運営者・株主等の犯罪歴」、この5つの項目については厳しくチェックされるため、ライセンス取得がとても難しいと評判です。ここまで厳格にする理由は、ゲームを犯罪から切り離し、子供や立場の弱い人を守りつつ、人々が安心してカジノを楽しむことができるようにという目的があるからです。

1998年からライセンス発行を開始したジブラルタルはイギリスの海外領土ですが、自治政府によって内政が行われています。世界各国の一流といわれるギャンブルゲーム運営団体の本部が置かれ、最優良企業と言われる運営団体にしかライセンスを発行しないとまで言われるほどです。ライセンスの維持費が高額なことでも知られており、安定した経営状況でないとジブラルタルのライセンスを保持していくことは難しいでしょう。
第三者機関の監査を受けているか
では信頼性の高いライセンスを持っていれば、安心してオンラインカジノを楽しめるのでしょうか。答えは「NO」です。
なぜなら無事にライセンス発行が許可されても、そのあと無茶苦茶な運営をしているのであれば、プレイヤーは安心してゲームを楽しむことはできません。
そこでカギとなるのが「第三者機関による監査」です。
もちろん、そのような機関の監査を受けなくても健全に運営できているオンラインカジノもあるのですが、第三者機関による監査を受けていれば、よりプレイヤー側が安心できる材料となることは確かです。
主な第三者監査機関

eCOGRAはオンラインカジノの公平性をチェックする非営利団体で、2003年に設立されました。プレイヤーの立場に立った厳しい審査が有名で、運営側とプレイヤーにトラブルが発生した時には、迅速に対応してくれます。eCOGRAに認定されているオンラインカジノは、プレイヤーが安心してゲームを楽しめる環境だということです。

iTech LabsはオンラインカジノソフトやRNGを検定する機関です。運営側に有利に働くようプログラミングされていないかをチェックしていて、オンラインカジノの中には毎日iTech LabsでRNGプログラムのチェックを受けているところもあります。iTech Labsの審査をきちんとうけているところは、プレイヤーが不利益を被る心配が少ないというわけです。

GLIはギャンブルの審査機関としては最大規模です。ランドカジノが公正に行われているかをチェックしてペイアウト率を公表したり、オンラインカジノのテスティング事業において圧倒的なシェアを持ったりと、通称「GLI基準」の信頼性は高いと言われています。
使用しているソフトウェアは信頼できるか
オンラインカジノで使用されているゲームは、そもそもソフトウェア会社によって開発されています。つまり運営会社がいくら健全な運営をしていても、使用しているソフトウェア自体に問題がある限り、プレイヤーは安心して遊び続けることは難しいのです。
ですからプレイヤーは、オンラインカジノが信頼できるソフトウェアを採用しているかどうかを見極める必要があります。特に重視したいのはセキュリティ面です。ここが脆弱だと、勝率を勝手に操作されるなどの不正行為に巻き込まれる可能性も否定できません。
信頼性のある人気ソフトウェア会社

Microgamingは老舗かつ最大手のオンラインカジノソフトウェア会社です。1994年からカジノソフトウェアを作り続けていて、その信頼性はとても高いと評判になっています。Microgamingのソフトウェアは契約ライセンス料が高額であることでも知られていて、ここのソフトウェアを導入しているオンラインカジノは資金力があるという判断にも使われています。

Playtechは比較的新しいゲームソフトウェア会社なのですが、クオリティの高いゲームを次々と開発したことから、人気に火が付きました。運営会社はロンドン市場に上場までしていて、マイクロゲーミング社と肩を並べるほどの大企業に成長しています。

NetEntは操作性に優れたソフトウェアを得意としています。オンラインカジノが初めてという人でも、直感的に遊べるソフトウェアがたくさんあります。プレイヤーからの信頼性にも比重を置いていて、eCOGRAなど第三者機関からの認定されている、信頼性の高いソフトウェア会社だと言われています。
日本語サポート対応であるか
日本にいながら楽しむことができるオンラインカジノですが、その運営はすべて海外で行われています。
基本的には英語表記であるのですが、最近では多言語対応のサイトも増えています。オンラインカジノはまず登録をしないと始めることができませんが、英語のみのサポートでは不安だという人は少なくありません。
トラブルが起きた時や疑問点があるとき、日本語対応してもらえるオンラインカジノは大変心強いものです。できれば、サイトの表記が日本語対応になっているだけでなく、メールやチャットのサポートも日本語で対応しているオンラインカジノを選ぶのがおすすめです。
また、オンラインカジノは豊富なゲーム数が魅力のひとつですが、自分の好みのゲームがあるかどうかはプレイしてみないとわからないという人もいます。
多くのオンラインカジノでは無料でプレイできるサービスが用意されているので、まずは感触を試してから登録するといいでしょう。
アカウントを作成しなくても無料プレイが楽しめるオンラインカジノなら、気軽にいろいろなゲームを試すことができます。