
ラスベガスやマカオ、そしてお隣の韓国でもカジノを楽しむことができ、海外旅行のついでにカジノ初体験を楽しむという人が増えています。
しかし、そう頻繁に海外旅行に行ける人ばかりではないでしょう。
そこで「もっと気軽にカジノを楽しみたい!」という声とともに、人気急上昇中なのがオンラインカジノです。
オンラインカジノに興味はある人は、始める前に運営方法や仕組みを学び、リスクを減らしながら安心してゲームを楽しみましょう。
目次
オンラインカジノ運営の構造
オンラインカジノは海外の運営会社によってマネジメントされています。
ちなみに、日本には賭博罪という刑法が存在するため、日本の企業がオンラインカジノを運営することはできません。
ここでは、合法と認められている海外のオンラインカジノについて、その構造や仕組みを説明します。
オンラインカジノというと、一昔前まではマフィアなど反社会組織が関わっているもの、というイメージが強いものでした。
しかしオンラインカジノに未来を託す各国政府が並々ならぬ努力をしたおかげで、現在のオンラインカジノはとてもクリーンなものに生まれ変わっています。
オンラインカジノを直接運営しているのは、もちろん運営者(オンラインカジノ会社)ですが、ギャンブルというリスクの高いゲームを公平に運営するためには、運営者だけの努力では限界があります。
オンラインカジノの健全な運営は、運営者以外にも5つの構造によって支えられているのです。

運営者がいくら健全なオンラインカジノを経営していたとしても、内部の人間だけが関与しているては、その安全性に限りがあります。カジノは莫大なお金が動くゲームなので、プレイヤーが安心して楽しむためには、厳重な管理体制が必要です。
そのために、オンラインカジノでは運営者以外にも5つの構造を設け、不正が行われないよう様々な方向から監視をしています。
また、オンラインカジノの運営企業同士がお互いを監視することも行われていて、業界自体がクリーンでいられるよう努力しているのです。
それではオンラインカジノの構造について、ひとつずつ目を通していきましょう。
①国・政府によるライセンス発行
日本ではカジノ自体がまだ認められていないので、国がカジノに関与することを疑問に思う人もいます。
しかし海外ではカジノを合法ギャンブルと認めている国はたくさんあります。
もちろん合法だと認めるためにはそれ相応の審査をする必要があり、無事に審査を通った場合には、「証明書」いわゆる「ライセンス」を発行するのが一般的です。
オンラインカジノを選ぶとき、ライセンスを取得しているかどうかは安全性を見極める重要なアイテムのひとつであり、プレイヤーにとっては大切な判断基準になります。
なぜなら信頼性の高いライセンスは、そう簡単に発行されるわけではないからです。
近年、カジノを合法化する国は世界中に広がっていますが、その目的のひとつはギャンブルと犯罪組織を明確に区別すること、そしてもうひとつはギャンブル自体を娯楽レジャー産業として認め、観光業の発展や外貨獲得を目指すということです。
こうした動きはカジノの歴史が古いヨーロッパ諸国だけでなく、発展途上国が多いアフリカ諸国でも起こっていて、世界中でカジノを合法化する国は増えています。
しかしカジノが合法化されているのと、オンラインカジノ会社に与えられるライセンスが信頼できるかは別問題です。
カジノを合法化しライセンスを与えている国の中には、ライセンス料目当てで審査をほとんどせずにライセンスを発行している国も存在するからです。
つまりオンラインカジノを選ぶときには、「ライセンスを所有しているか」ではなく「どこから発行されたライセンスを所有しているか」に注目することがプレイヤーにとっての安心材料と言えます。
②審査機関
オンラインカジノの運営は、信頼できるライセンスを取得したら終わりではありません。
むしろライセンスの取得はスタートであり、そこからいかにプレイヤーが安心してゲームを楽しめる環境を作っていけるかが経営を大きく左右します。
そこで重要な役割を果たすのが審査機関で、主に二つの仕事があります。
オンラインカジノ会社が不正行為をしていないかの監視
ソフトウェアのセキュリティチェック
オンラインカジノ会社が不正行為をしていないかの監視
まずは一つ目の「オンラインカジノ会社が不正行為をしていないかの監視」についてです。
オンラインカジノ会社はどこも「公正・公平」をアピールしますが、それをそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険です。
もし運営側が悪意を持てば、プレイヤーに不利な状況を作ることなどたやすいでしょう。
審査機関はこうした運営側の不正を監視するのが仕事です。
当然、審査機関と運営が癒着していては意味がなく、独立した第三者機関の厳しい目で審査をし、「このオンラインカジノは信頼できる」とお墨付きを与えることが重要です。
合法オンラインカジノの運営は、基本的に第三者機関の審査を定期的に受けることが運営の条件になっています。
「定期的」に審査というと、審査する時期だけ公平・公正な運営をしているのでは?と思う人がいるでしょう。
しかし第三者審査機関の目は、そんなに簡単にごまかせるものではありません。
ときには抜き打ちで審査を行い、調査した結果をだれでも見られるよう公表し、いつも厳しい目でオンラインカジノを監視しているのです。
ソフトウェアのセキュリティチェック
次に「ソフトウェアのセキュリティチェック」を見ていきましょう。
オンラインカジノのゲームは、すべてソフトウェア会社から提供されています。
オンラインカジノのゲームは、カジノ運営会社が製作・提供しているのではなく、ソフトウェア会社でプログラミングされ、オンラインカジノがソフトウェア会社に使用料を支払って遊ぶ構造となっています。
どのオンラインカジノで遊んでも、同じソフトウェアを用いたゲームならば同じようにプレイが可能というわけです。
しかしオンラインカジノゲームの提供は、どのソフトウェア会社でもできるものではありません。
オンラインカジノのゲームソフトを制作するためのライセンスを取得したうえで、ようやく開発・提供を行えるようになります。
このように、ソフトウェアに不正がないと証明されているからこそ、プレイヤーは安心してオンラインカジノにお金を賭けて遊ぶことができるのです。
審査機関は、プレイヤーに不利益が出るようなプログラミングがされていないか、外部からの侵入を防ぐようなセキュリティ対策がなされているか、ソフトウェアのテストを何度も行い、公平性や安全性を保証する重要なキーパーソンでもあります。
③ソフトウェア会社
先ほども少し述べましたが、オンラインカジノでプレイするゲームは、すべて専門のソフトウェア会社によって製作されています。
例えば初心者でも楽しめるスロットゲームは、オンラインカジノで楽しむことが多いゲームです。
完全な運によって勝敗が決まるため、だれでも参加しやすいのが特徴ですが、「当たりのサイクルを予想すればもっと稼げるようになる」といううわさを聞いたことはないでしょうか。
スロットの出目は周期的だから、それに気づくことができればお金の賭け方をコントロールできるというものです。
しかしそのうわさは全くのでたらめです。
オンラインカジノのスロットゲームは、RNGというプログラムによって編成されています。
RNGとは乱数を発生させる機器のこと。
つまり規則性がなく、予測が不可能な数字を組み合わせて図柄を決めているのです。
信頼できるソフトウェア会社は、こうしたRNGを使ってプログラミングすることで、オンラインカジノの運営側はもちろん、外部からの不正行為ができない安全なソフトウェアを作っています。
当然、自社のソフトウェアに対する安全性にもこだわっていて、審査機関のチェックも受けています。
④決済会社
信頼できるオンラインカジノでは、お金のやり取りはプレイヤーと運営会社が直接行うわけではなく、すべて決済会社を通して入出金が行われます。
決済にはいくつかの方法があり、クレジットカード・電子決済・仮想通貨などが主な決済手段です。
日本ではカジノが法律で認められていないため、オンラインカジノ会社と決済会社が提携を結ぶという話は聞いたことがないでしょう。
しかし海外ではオンラインカジノを合法としている国は多く、プレイヤーからの信頼が厚いオンラインカジノ会社の中には、株式市場に上場している優良企業さえ存在します。
オンラインカジノで動くお金は1日に数億円にも上ると言われており、安定した経営のオンラインカジノの決済手段として利用してもらうことは、決済会社にとってもメリットが大きいと言えます。
ただしクレジットカード会社や銀行振り込みでの入出金は、マネーロンダリングの問題もあり、かなり厳しく制限を受けているのも事実です。
オンラインカジノでは、一部のカード会社しか使用できなかったり、銀行振込での出金を断られたりといったことがしばしば起こります。
そんなときに便利なのが電子決済サービスです。
例えば「ecopayz(エコペイズ)」はイギリス企業がサービスを提供している電子決済ですが、英国金融庁から認可と規制を受けていて、ライセンスも発行されています。
世界的に見ても非常に信頼性の高い政府公認の電子決済サービスですから、プレイヤーが安心して利用することができ、尚且つ入出金の一本化ができるというメリットもあります。
オンラインカジノは、法律の改正・国際情勢・国際的な圧力などから決済方法が変更になるということが珍しくありません。
一時的にでもプレイヤーが入出金できない状況を避けるためには、より多くの決済方法を選択できるオンラインカジノが利用しやすいと言えるでしょう。
⑤プレイヤー
オンラインカジノの構造で、忘れてはならないのがプレイヤーの存在です。
そもそも、オンラインカジノの経営はプレイヤーがいなければ成り立ちませんから、オンラインカジノ構造の重要なファクターでもあります。
オンラインカジノは特定の国に向けたサービスではなく、世界中にいるプレイヤーを対象にしたサービスです。
そのためにサイトは多言語対応しているところが増え、もちろん日本語で楽しめるところも数多くあります。
オンラインカジノの構造上、プレイヤーは重要なファクターであるからこそ、プレイヤー側もしっかりとした目でオンラインカジノを見ていく必要があると考えられます。
オンラインカジノ運営が儲かる仕組み
日本国内にも、競馬や競艇、パチンコ、そして宝くじなど法律で認められているギャンブルがあります。
けれども「ギャンブルで大儲けした!」という声はあまり聞くことはないでしょう。
その中でも世界各国で人気が高まりつつあるオンラインカジノは、プレイヤーにとって魅力的なキャンペーンやイベントが多く行われているギャンブルのひとつです。
なぜプレイヤーたちを惹きつけるキャンペーンやイベントを次々と開催できるのか、その理由を探っていけば、オンラインカジノの仕組みやほかのギャンブルとの違いに気づくことができます。
ギャンブルの還元率
まずは以下の表を見てください。
ギャンブルの種類 | ペイアウト率(還元率) |
オンラインカジノ | 93~98% |
パチンコ | 80~85% |
競馬 | 70~80% |
競艇・競輪 | 75% |
オートレース | 70% |
宝くじ | 46% |
左側がギャンブルの種類、そして右側がペイアウト率を記しています。
ペイアウト率とは、ベットしたチップの枚数に対して、実際に払い出された枚数の比率を指します。
つまり、プレイヤーが賭けた金額に対して、いくら払い戻しがされたのかを表す数値です。
値を見れば一目瞭然ですが、オンラインカジノのペイアウト率は、ほかのギャンブルと比較しても群を抜いて高いです。
これが何を意味するのかというと、プレイヤーが賭けたお金に対して、戻ってくるお金の割合が高いということです。
ギャンブルはやらないけど、宝くじを買ったことがあるという人は多いでしょう。
しかし宝くじの購入金額に対して、どれくらいのお金が戻ってきましたか?おそらく払った金額のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
表を見るとわかりますが、宝くじのペイアウト率は50%を切っていますから、元が取れなくても当たり前です。
パチンコですら80~85%ですから、オンラインカジノのペイアウト率の高さは異常ともいえるかもしれません。
あらためて考えてみると、それでもオンラインカジノの経営が成り立っていることを不思議には思いませんか?
そこがオンラインカジノ運営のカギなのです。
運営にかかるコスト
ギャンブルの経営はハウスエッジ(胴元の取り分)で成り立っています。
どんなギャンブルでもハウスエッジは決められていて、それがないとギャンブルを運営していくことはできません。
簡単に言えば、掛け金100%からペイアウト率分を引いた残りがハウスエッジ、運営側が手にするお金です。
例えば競馬のペイアウト率は70~80%ですから、ハウスエッジは20~30%です。
オンラインカジノと比較すると競馬は高いハウスエッジだと言えますが、これ以下にしてしまうと運営側の経営がパンクしてしまいます。
競馬は、競馬場の維持・馬の飼育費・騎手への手当・従業員の給料など、必要経費がかなり掛かるギャンブルです。
加えて大きなレースはいつも開催しているわけではなく、十分な収益を確保できるレースは限られています。
ですから、ハウスエッジを高くしないとやっていけないのです。一方でオンラインカジノはどうでしょうか。
オンラインカジノとほかのギャンブルの一番の違いは、実店舗が存在しないという点です。
オンラインカジノの店舗は、インターネット上のサーバーであり、海外で運営しているからといってその国に店舗があるわけではありません。
ゲーム自体についても、パチンコ店のように自前でパチンコ台を設置しているわけではなく、ソフトウェア会社からインターネット上にゲームを提供されているだけで、実際にゲームを所有してはいないのです。
施設や人件費にかかる費用が少なく済めば、ハウスエッジが低くても運営側には利益が残ります。
運営側の取り分を少なくして、プレイヤーへのペイアウト率を高くすれば、プレイヤー側にしてみれば「ほかのギャンブルよりおいしい」ということになります。
つまり世界中でオンラインカジノの人口が増えているのは、ペイアウト率が高いという点が大きな要因だと考えられるのです。
オンラインカジノは24時間営業
日本の競馬もパチンコも、営業時間は決まっていますが、オンラインカジノは24時間営業です。
たとえ日本が深夜でゲームをプレイする人が少なかったとしても、標準時が違う海外では多くの人がオンラインカジノを楽しんでいます。
営業時間は24時間、利用客は世界中の人、時間や国・地域の制限を受けないという点こそが、実店舗を持たないオンラインカジノの最大のメリットだともいえるでしょう。
たとえハウスエッジが低くても、24時間営業しているオンラインカジノですから、世界中でプレイヤーの数が増えればプレイ時間も増加し、利益は右肩上がりになるというわけです。
株式市場に上場しているオンラインカジノ
健全で安定した経営をしていると言われる海外のオンラインカジノは、株式市場に上場しているところが少なくありません。
上場できるほど経営が安定しているのは、オンラインカジノ以外にも多くのビジネスを展開していることが大きく影響しています。
しかもビジネス内容は多岐にわたり、ランドカジノやスポーツの勝敗に対して賭けるスポーツブックなどを運営しているだけでなく、ホテル経営や旅行会社、アミューズメント施設などを所有している企業も多いです。
つまりレジャー産業を支えるひとつの柱としてオンラインカジノを運営しているのです。
こうした総合レジャー産業経営であれば、たとえオンラインカジノで少々赤字を出したとしても、ほかのビジネスで穴埋めすることは簡単で、関連企業全体での収益を計算できるのが上場企業の強みと言えます。
もちろんこうした優良企業と呼ばれるオンラインカジノは、カジノ運営だけに力を入れているわけではありません。
さまざまなスポーツに対するスポンサー活動を行っていて、こうした活動は知名度を上げる効果も担っています。
海外で合法ギャンブルが人々に受け入れられているのは、こうしたイメージ戦略の結果でもあります。
カジノが儲かる「大数の法則」
オンラインカジノのペイアウト率が93~98%であるということは、先ほどの表に示してありますが、この数字はすべてのプレイヤーに当てはまるわけではありません。
例えばルーレットの赤黒ベットに賭けた場合、当たる確率は2分の1というのは誰でも知っていますよね。
ところが実際にプレイしてみると、連続3回当てる人もいれば、連続で5回負ける人もいます。
3回勝ち続けてルーレットを下りればペイアウト率は100%を超えますし、5回連続負けてゲームを終了すれば大損です。
しかし不思議なことに、回数を重ねれば重ねるほど、赤黒ベットで勝てる確率は5割に近づいていきます。
そしてオンラインカジノゲームには、必ずハウスエッジ(控除率)というものが設定されていて、プレイヤーの勝利金から引かれることになっています。
ルーレットの赤黒ベットで、本来の確率通りに配当を2倍にしてしまうと、カジノ側の儲けはありません。
これではオンラインカジノを運営していくことができないため、必ず運営側に利益が出るようにハウスエッジが設定されているのです。
ヨーロピアンルーレットではハウスエッジは2.7%、たった2.7%ですがオンラインカジノを運営していくうえで十分な金額になります。
つまりオンラインカジノの運営としては、本来の確率に近づけること、つまりたくさんプレイさせることで確実に儲かるという仕組みなのです。
これは数学でも証明されている、「大数の法則」と言われる原理です。
オンラインカジノのように、多数のプレイヤーたちが何回もゲームをプレイする場では、大数の法則が働きやすく、結果的に運営側が儲けやすい仕組みになっています。
ギャンブル好きな人の中には、「オンラインカジノ=儲かる」という人もいますが、真の意味は少し違います。
「オンラインカジノは、ほかのギャンブルと比較すると大幅に負けが少ない」というのが正解です。
オンラインカジノ会社は、取り分が少なくてもきちんと儲けを出しているのです。